FujiUnited

Fuji United 日本のあやかり富士で広域連携プロジェクト!

日本には、富士山以外にも「富士」の名前がつく山が各地に点在しているのをご存じでしょうか。これらは「郷土富士」や「あやかり富士」、「ふるさと富士」などと呼ばれ、その総数は400以上とも言われています。日本だけでなく、アメリカやヨーロッパなど海外にも「富士」と呼称される山があるというのですから、驚きです。
その多くは、富士山に似た形の成層火山です。ほかにも、歴史的に富士山と何らかの関係がある山や、その土地を代表する山もあります。
Facebook Groupに「みんなのあやかり富士」を開設しておりますので、関連自治体の皆様や関連自治体にお住いの皆様はぜひ「皆様の近くにある富士」の写真投稿をお願いいたします。

例えば、鳥取県大山町・琴浦町・江府町にまたがる大山は、あやかり名を「伯耆富士」と言います。弥山を中心とした富士山によく似たフォルムをしており、裾野にはなだらかに桝水高原が広がっています。冬には冠雪が見られることもあり、ますます富士山に似た容貌が望めることも。また、この山も富士山と同じく、古くから信仰の山として親しまれていました。「出雲国風土記」の神話にも登場するなど、神とのつながりを感じさせる山として、大山信仰は奈良時代から存在したといいます。大山は、参拝する人々が参道として利用した「大山みち」という道も残っており、信仰の名残を色濃く残しています。信仰の対象として世界遺産に登録されている富士山との、もうひとつの共通点です。

福島県猪苗代町・磐梯町・北塩原村にまたがる磐梯山は、「会津富士」とも呼ばれています。日本百名山にも選ばれており、周辺には観光スポットや温泉街もある高原リゾートとして栄えています。福島県の民謡では、「会津磐梯山は宝の山よ 笹に黄金がなりさがる」と、磐梯山が「宝の山」として歌われています。文字通り、笹になった黄金色の実がその土地の飢えをしのいだとも読み取れますし、また、磐梯山の麓には檜原金山・銀山がありますので、それらが会津藩の財政を支えたことも、この歌詞のひとつの理由として考えられます。いずれにせよ、「宝の山」と人々に愛された磐梯山が、親しみや愛情をもって「富士」と称されたのは必然だったのかもしれません。

「讃岐富士」というあやかり名で、讃岐平野の美山の象徴として親しまれているのは、香川県丸亀市・坂出市にまたがる飯野山です。ここには讃岐富士を造ったとされる大男「おじょも」の伝説が残されており、山にはおじょもの足跡でくぼんだ岩があります。山麓には、日本神話にも登場する飯依比古を祀った飯神社と坂元神社があるなど、日本古来の山と神の結びつきが強くみられる、信仰の山のひとつです。また、古人がこの土地の富士として歌に詠んだことでも有名です。西行法師は「讃岐には これをば富士と いいの山 朝げ煙 たたぬ日はなし」と、また昭和天皇が訪れた際には「暁に 駒をとどめて 見渡せば 讃岐の富士に 雲ぞかかれる」としたためられました。

富士山が多くの芸術や思想にインスピレーションを与えた日本の一種のシンボルとして、人々の信仰を集めているからこそ、自分の住む土地の美しい山に「あやかり富士」としての名前を付けて呼ぶことで、より深い愛着や親しみを感じることができると当時の人々は考えたのかもしれません。また、「富士のように壮大で美しく」という願いもそこには込められているでしょう。

Best of the Fujiでは、このような全国各地の「あやかり富士」をもつ自治体と「広域連携」を結び、本家の富士山そのものにとどまらない日本全体での広域富士周遊ルートを考案しています。お遍路のように日本の富士をめぐるなかで、その土地の「富士」の景色や伝統、暮らしに触れていく広域ツーリズム企画は、あなたの中に新しい富士の一面を見せ、刺激やインスピレーションを与えるかもしれません。どうぞご期待ください。

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